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食料自給率って難しくない!パンと米の値段から考える、私が今日から始めた「食の備え」


「最近、お米の値段、ちょっと高くなった?」

「最近、お米の値段、ちょっと高くなった?」「パンの方が安い日もあるような…」

そんな風に感じたことはありませんか?私たちの食卓に欠かせない主食、パンとお米。その値段の裏側には、「食料自給率」という、ちょっと難しそうだけど、実はとっても大切なキーワードが隠れています。

「食料自給率って、ニュースで聞くけどよく分からない…」「自分には関係ないかな?」

いえいえ、そんなことはありません!食料自給率は、毎日の食卓、そして未来の日本の食を考える上で、私たち一人ひとりに関わる重要なテーマなんです。特に、パンの原料である小麦のほとんどを輸入に頼り、主食であるお米は国内でほぼ賄えている日本にとっては、その違いを知ることが大切になります。

この記事では、「食料自給率って何?」という基本から、パンと米の価格との関係、そして未来のために私たちが今日からできる「食の備え」について、私の実体験も交えながら、できるだけ分かりやすくお伝えしていきます。具体的なデータも表形式で示しながら、日本の食の現状を一緒に見ていきましょう。

そもそも「食料自給率」って何?難しい言葉じゃないんです!

ニュースなどで耳にする「食料自給率」。まずはその基本と、日本の現状をデータで確認しましょう。

カロリーベース?生産額ベース?日本の現状をデータで見る

食料自給率とは、「国内の食料消費が、国内の農業生産でどの程度賄えているかを示す指標」のことです。主な指標は二つあります。

一つは「カロリーベース総合食料自給率」。国民への供給カロリーに対する国産カロリーの割合です。2023年度(令和5年度)の日本のカロリーベース自給率は38%(概算値)でした。これは、私たちが摂取しているカロリーの約6割を輸入に頼っていることを意味します。

もう一つは「生産額ベース総合食料自給率」。国内消費額に対する国内生産額の割合で、2023年度は58%(概算値)でした。

日本のカロリーベース自給率は、実は長期的に低下傾向にあります。下のグラフ(イメージ)のように、食生活の変化などにより、1965年度には73%あった自給率が、近年は40%前後で推移しています。

さらに、諸外国と比較しても、日本の自給率は低い水準にあることが、以下の表からもわかります。

【表:主要国の食料自給率(カロリーベース)比較】

国名自給率 (%)算出年度(目安)
カナダ200% 超2020年頃
オーストラリア200% 超2020年頃
アメリカ120% 前後2020年頃
フランス120% 前後2020年頃
ドイツ80% 台2020年頃
イギリス60% 台2020年頃
イタリア50% 台2020年頃
スイス50% 台2020年頃
日本38%2023年度
韓国40% 台2020年頃

(出典:農林水産省「諸外国の食料自給率」データを基にしたイメージ。各国の算出基準は異なる場合があるため目安)

このように、日本の食料自給率は歴史的に見ても、国際的に見ても低い水準にあるのが現状です。

なぜ注目されるの?自給率が低いと困ること

食料の多くを輸入に頼ることのリスクは、主に「食料安全保障」の問題です。輸出国での不作、災害、紛争、感染症のパンデミック、輸出規制などが起これば、食料の安定供給が脅かされる可能性があります。近年、世界的な人口増加や経済成長、異常気象の頻発、地政学リスクの高まりなどにより、食料需給は不安定化する傾向にあり、輸入に頼るリスクは増しています。

また、食料輸入依存は、国内農業の縮小にも繋がります。農業者の高齢化(2023年の基幹的農業従事者の平均年齢は約68歳)や後継者不足は深刻で、耕作放棄地も増加しています(2020年時点で約42万ha、これは滋賀県の面積に匹敵)。これは食料生産基盤の弱体化だけでなく、地域経済や国土保全機能への影響も懸念されます。

さらに、遠距離輸送(フードマイレージ)は環境負荷も大きく、持続可能な社会の観点からも課題があります。自給率向上は、食料の安定確保だけでなく、国内農業の維持、地域活性化、環境保全にも繋がる重要なテーマなのです。

【データ】日本の品目別自給率と消費の変化を見てみよう!

総合自給率は低くても、品目によって大きな差があります。以下の表は、主な品目の自給率を示したものです。

【表:日本の主な品目別食料自給率(カロリーベース、令和4年度概算)】

品目自給率 (%)備考(主な依存先など)
99%ほぼ国産
小麦15%米、加、豪などから輸入
野菜79%国内生産中心、一部輸入
果実34%輸入多い(バナナ、柑橘等)
肉類53%※飼料自給率は低い
魚介類58%輸入も多い
大豆7%ほぼ輸入(米、ブラジル等)
砂糖類35%輸入多い(豪、タイ等)
油脂類14%ほぼ輸入(菜種、大豆等)

(出典:農林水産省「食料需給表」より概算値を基にしたイメージ)

お米はほぼ100%国産ですが、パンや麺の原料となる小麦や、油、大豆などは輸入への依存度が非常に高いことがわかります。

この背景には、下のグラフ(イメージ)が示すような、お米とパン(小麦関連)の消費量の変化があります。お米の消費量が長期的に減少する一方で、パンなどの消費は増加傾向にあり、これが自給率低下の一因となっています。

パンと米の値段、なんで違うの?自給率との意外な関係

「自給率100%近い米より、輸入小麦のパンが安いのはなぜ?」という疑問。価格は自給率だけでなく、国際情勢や国内政策など様々な要因で決まります。

輸入小麦(パン)の価格はどう決まる?円安や国際相場の影響

パンの原料、輸入小麦の価格は、国際市場価格、海上運賃、為替レートに大きく左右されます。特に近年は、異常気象による主要生産国の不作、ウクライナ情勢、そして円安の進行が価格を押し上げています。

日本では、政府が輸入小麦を買い付け、製粉会社などに売り渡す「政府売渡価格」制度があります。この価格も国際情勢を反映して変動しています。

【表:輸入小麦 政府売渡価格(主要銘柄平均)の推移例】

対象期価格(円/トン)主な影響要因(イメージ)
2022年度 上半期約 68,000ウクライナ情勢、国際相場高騰
2022年度 下半期約 73,000円安進行、高値水準維持
2023年度 上半期約 76,000円安影響続く
2023年度 下半期約 68,000国際相場やや落ち着くも円安
2024年度 上半期約 69,000国際相場安定、円安継続
2024年度 下半期約 67,000比較的安定
2025年度 上半期約 68,000やや上昇傾向か?

(出典:農林水産省 麦の需給に関する情報 等を基にした仮の数値・傾向イメージ)

※実際の価格は銘柄等により異なります。

このように、国際情勢や為替の影響が国内の小麦粉価格、ひいてはパンの価格に影響を与えています。

国産米の価格はどう決まる?豊作・不作と市場動向

一方、国産米の価格は、主に国内の作柄(豊作・不作)と需要動向で決まります。長期的な消費減により、供給過剰になりやすい構造があります。そのため、国は生産調整や備蓄制度で需給と価格の安定を図っています。

しかし近年は、燃料・肥料などの生産コスト高騰、担い手不足による作付面積減少など供給面の不安要素に加え、インバウンド需要回復なども影響し、米価は上昇傾向にあります。

【表:米の相対取引価格(年間平均・全銘柄平均・玄米)の推移例】

年次価格(円/60kg)備考(イメージ)
2020年約 14,500比較的高値水準
2021年約 13,000下落傾向
2022年約 13,500やや持ち直す
2023年約 14,800上昇傾向顕著
2024年約 15,500さらに上昇、コスト増影響

(出典:農林水産省 米に関するマンスリーレポート 等を基にした仮の数値・傾向イメージ)

このように、お米の価格も様々な要因で変動しています。

価格の「逆転現象」?データで見るパンと米の値段の推移

かつての「米よりパンが安い」イメージは変わりつつあります。食パンと精米の小売価格推移を見ると、その差は縮小、あるいは逆転するケースも見られます。

【表:食パン vs 精米 1kgあたり小売価格の比較例(東京都区部)】

年次食パン(角型) (円/kg)精米(うるち米 コシヒカリ) (円/kg)備考(イメージ)
2015年約 430約 480米の方が高い
2020年約 450約 520米の方が高い
2022年約 480約 530価格差縮小
2023年約 530約 560ともに上昇、価格差やや拡大?
2024年約 550約 600ともに上昇、米価上昇目立つ
2025年約 570約 630状況により逆転の可能性も?

(出典:総務省統計局 小売物価統計調査 等を基にした仮の数値・傾向イメージ)

※実際の価格は地域や店舗、銘柄により大きく異なります。

輸入小麦の高騰と国産米価格の上昇により、一概にどちらが安いとは言えない状況になっています。「自給率が高い=安い」という単純な図式ではないことを理解しておく必要があります。

食料自給率と私たちの食卓 – 未来のために「私」ができること

食料自給率や価格の現状を知ると、「私たちに何ができるか」を考えたくなります。難しく考えず、身近なことから行動を変えてみましょう。

まずは知ることから!日本の食料事情に関心を持とう

第一歩は「知る」こと。食料自給率、食品表示(原産地表示など)、食料に関するニュースに関心を持つことが大切です。スーパーで産地を確認したり、値上がりの背景を考えたりするだけでも、食と社会の繋がりが見えてきます。

賢い買い物のヒント:国産を選ぶ?価格で選ぶ?食品ロスも意識!

国産品を選ぶことは、自給率向上や国内農業の応援、フードマイレージ削減に繋がります。価格とのバランスは大切ですが、旬の国産品は手頃な場合もあります。地産地消を意識するのも良いでしょう。

さらに考えたいのが「食品ロス」の問題です。日本では、下の表のように多くの食品が廃棄されています。

【表:日本の食品ロス発生量(令和3年度推計値)】

区分食品ロス量(万トン)国民一人当たり(年間)国民一人当たり(毎日)
事業系約 279約 22kg約 60g
家庭系約 244約 19kg約 52g
合計約 523約 42kg約 114g (お茶碗約1杯)

(出典:農林水産省・環境省 食品ロス量推計値 等を基にしたイメージ)

必要な分だけ買う、買った食材を使い切る、食べ残しを減らすといった「賢い買い物・消費」は、家計の節約になるだけでなく、貴重な食料資源を無駄にしない行動です。

「もしも」に備える!家庭でできるローリングストック術

災害時や輸入途絶リスクに備える家庭での食料備蓄も重要です。普段使いの食品を少し多めに買い置きし、消費したら買い足す「ローリングストック」が手軽でおすすめです。最低でも3日分、できれば1週間分を目安に備蓄しましょう。(備蓄品リスト例は省略)

私が今日から始めた「無理しない食の備え」3つのこと

私も、これらの情報を知って、無理なくできることから3つのことを始めました。

①お米の消費量を意識してみた(週3日から週5日へ)

パン食が多かった私ですが、「自給率99%のお米をもっと食べよう!」と、夜ご飯はお米中心にするように意識しました。週3日から週5日へ。無理なく国産米の消費応援に繋がっています。

②ローリングストックを見直し&強化(リストで管理!)

備蓄リストを作成し、定期的に見直し・買い足しをするようにしました。

【表:我が家のローリングストックリスト(一部)】

カテゴリ品名目安数量賞味期限管理普段使い
主食米 (真空パック)5kg x 2袋半年毎チェックYes
パックご飯10個月1チェックYes
パスタ (1.6mm)1kg x 2袋月1チェックYes
カップ麺5個月1チェックNo
缶詰サバ水煮缶10缶半年毎チェックYes
ツナ缶10缶半年毎チェックYes
トマト缶5缶半年毎チェックYes
レトルトカレー5食半年毎チェックYes
パスタソース5食半年毎チェックYes
飲料水 (2Lペットボトル)6本 x 2箱年1チェックYes
長期保存牛乳(LL牛乳)1L x 3本月1チェックYes

(※あくまで一例です。家族構成や好みに合わせて調整しています)

リスト化することで管理がしやすくなりました。

③地元の直売所を覗いてみた(おいしい発見も!)

「地産地消」を意識して、地元の農産物直売所を利用するようになりました。新鮮な旬の野菜に出会え、生産者さんの顔が見える安心感があります。週末の楽しみの一つです。

まとめ

「食料自給率」は、決して難しいだけの言葉ではありません。パンやお米の値段、毎日の買い物、そして災害への備えなど、私たちの生活に直結する大切なテーマです。

  • 日本の**食料自給率(カロリーベース38%)**は低く、多くを輸入に依存。
  • **米(国産99%)と小麦(輸入中心15%)**の自給率の差と、米消費減・パン消費増が自給率低下の一因。
  • 価格は国際情勢、為替、国内需給、政策など複雑な要因で決定。
  • 国産品選択、地産地消、食品ロス削減を意識することが大切。
  • ローリングストックによる家庭備蓄も「もしも」への備えに。

完璧を目指さず、「知る」こと、そして「できることから少しずつ」行動することが重要です。この記事が、皆さんの食への関心を深め、未来の食卓のために今日からできるアクションを考えるきっかけになれば幸いです。

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